実は40歳を意識して、おしゃれや趣味として和服を始める方は、意外と多くいらっしゃいます。そんな時「お着物には日本人の魂が宿っているのかもしれない」と感じます。日本人は年齢を重ねるほど、和菓子を食べ、神社に行き、朱色が好きになるとも言われていますね。不思議な引力を感じます。

2018年の夏前に、とある女性のお客様がいらっしゃいました。１年という時間をかけて「40歳の自分へ贈る誕生日プレゼント」を探していたそうです。もうじき41歳になるという数ヶ月前に丁子屋へお越しくださいました。「40歳まで歩んできた自分を褒めてあげたい」というお気持ちで、購入されたのはラベンダー色の紬。和の色では、「藤色」です。藤色のお着物が大好きだったお祖母様を思って、即決されました。帯は、更紗の生紬をお選びになりました。お客様一人ひとりに大切なストーリーがあります。私たちは、その人生に寄り添う瞬間を共有させていただけることを、とても幸せに感じています。

お着物は、洋服以上に着る人の意外な個性を浮き彫りにしてくれます。一つの形から広がる無数の可能性。洋服では見えなかった美しい個性がキラリと光るその瞬間まで、その方にこそ似合う組み合わせを一緒にお選びいたします。